ERJ open researchに論文がacceptされました。

当科の山本 洋准教授、安尾将法講師らの書いた論文がヨーロッパ呼吸器学会の関連雑誌であるERJ open researchにacceptされました。論文の内容を以下にお示しします。

当科ではこれまでサルコイドーシス(サ症)と胸部画像所見の類似するIgG4関連疾患(IgG4-RD)の症例を報告してきました。一方、サ症がTh1優位の全身性疾患であるのに対し、IgG4-RDはTh2優位の全身性疾患と考えられてきました。しかし、これまでIgG4-RD呼吸器病変に関するTh1/Th2バランスに関する報告はほとんどありませんでした。本研究ではIgG4-RDとサ症の気管支肺胞洗浄(BAL)液を用いて両群の比較検討を行いました。

対象は2007年~2014年に当科を受診したIgG4-RD の11例(中央値62(50~78)歳、男女比=9:2)。全例に両側肺門・縦隔リンパ節腫脹と気管支壁・気管支血管周囲束の肥厚、他臓器病変があり、経気管支鏡的肺・気管支生検でIgG4陽性細胞の浸潤が確認されました。対照はBHLを伴ったサ症の33例(53(21~77)歳、9:24)。MILLIPLEX MAPキット (Millipore社)を使用し、BAL液中の各種サイトカイン濃度を測定しました。

結果はIgG4-RD群でBAL液中のTh2サイトカインであるIL-5、IL-13が有意に高値、サ症群でTh1サイトカインであるTNF-α、IL-2、IL-6が有意に高値でした。

本研究によってIgG4-RDの呼吸器病変がTh2優位であり、胸部画像所見が類似するサ症とは病態が全く異なることが示されました。

論文(PDF)は ⇒こちら からダウンロードいただけます。

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