新年の抱負

kubo明けましておめでとうございます。本年も信州大学医学部内科学第一教室、信州大学医学部附属病院(以下、信大病院)呼吸器センター 呼吸器・感染症・アレルギー内科に対しまして昨年と同様のご指導・ご鞭撻をお願いいたします。

昨年11月3日・4日、第21回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会を当科で主催しました。1,890名と過去最高の参加者があり成功裡に終えました。関係各位のご努力に感謝いたします。この学会を主催して呼吸器疾患の多様性とその重要性を改めて認識しました。まず、参加者は医師、看護師、理学療法士の方々がそれぞれ1/3ずつを占めました。発表の内容は、呼吸器感染症、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺癌、間質肺疾患、睡眠時無呼吸症症候群と多岐にわたっていました。また、毎年参加者が着実に増えている事から多くの医療従事者が呼吸器病学の重要性を認識していると思います。

昨年の新年の抱負で述べましたが、多くの病院長の先生方が呼吸器内科の重要性を実感し、専門教育を受けた呼吸器内科医を要望しております。私どもは、これに答えるべく、学生教育、研修医教育、専門医教育により一層の充実を図りたいと決意を新たにしております。診療の充実に関しては、信大病院は平成19年(2007年)9月、信州大学呼吸器センター(SURC)を開設しました。現在、節目の5年目を迎えています。呼吸器内と呼吸器外科が協力し、呼吸器疾患の診療に対し、信大病院だけでなく長野県の呼吸器疾患の中心的なセンターとして、地域に密着し、先進的医療を実践しています。診療レベルをさらにアップさせるために、センター内RCU(respiratory care unit)の設置を図り最先端の呼吸管理を実践できるよう努力したいと存じます。さらに、他施設から医師のみならず看護師さんたちの研修の受け入れにも努力したいと存じます。

ひき続き研究を充実させます。呼吸器病学の幅広い分野に、分子・細胞生物学、遺伝子学などの新しい研究手法を導入し、さらに、呼吸器内視鏡検査、胸部CTなどの機器の進歩・普及、PCR、生化学的検査など検査学の進歩を取り入れ、基礎的および臨床的研究を推進したいと考えています。

研究マインドを持った専門医の育成が、今後の日本の医療・医学の進歩にとって極めて重要です。多くの先生に呼吸器学に進んで頂き、その期待に答えるよう、より一層努力したいと存じます。

多くの若い先生方と一緒に勉強できる事を期待しています。

平成24年 1月
久保 惠嗣

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