新年のごあいさつ

教育・医療を守りたい

信大医学部長
久保恵嗣

新年明けましておめでとうございます。本年も引き続き信州大学医学部に対しまして格別のご支援・ご鞭撻をお願い申し上げます。

昨年9月に政権が変わりましたが、政権の方向性がどうであれ、以下の点を主張したいと存じます。
私は、教育、医療、治安は国民が安心して生活できる共通の社会基盤と考えます。近年治安の悪化が著しく人々の心が荒んでいる気がしますがここでは触れません。旧国立大学医学部・附属病院は、教育、医療に重要な役割を担ってきました。

小泉純一郎元総理が所信表明演説で「米百俵の精神」を引用しました。この精神の真意は、「百俵の米も、食えばたちまちなくなるが、教育にあてれば明日の一万、百万俵となる」で、小泉内閣は教育を国の柱とするではないかと期待しました。しかし、実際は”痛みに耐えろ“ であって、2004年(平成16年)から国立大学は法人化され運営費交付金は減額されました。人件費も削られ、特に医学科は入学定員が増えているにも関わらず、教員数は増えません。充分な教育は出来ないと思います。

日本の医療は、高度な医療、平均寿命の高さと乳児死亡率の低さ、など高い水準にあり、WHOから高く評価されています。しかし、この背景には、小泉構造改革によって医療費が圧迫され過酷となった医療環境の元で献身的に働いている多くの医療従事者がいることを忘れるわけにはいきません。改善が必要です。

教育、医療、治安を大事にする事が日本の目指すべき姿と考えます。

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