コロナ禍における学会・研究活動
2019年12月、中国の武漢市で新型コロナウイルス感染症の第1例目が報告されて以降、わずか数カ月の間にパンデミックと言われる全世界的な流行となった。新型コロナウイルス感染症の流行・蔓延に伴い、我々の日常診療だけでなく研究活動にも大きな影響を及ぼした。学会活動は、最近ではハイブリッド開催(現地参加 or Web参加)が中心となっているが、現地での参加は困難な事が多い。また、各種講演会もオンライン開催が当たり前になっている。
もちろん、高名な先生の話を現地参加せずに聴講できたり、学会のオンデマンド配信では、自宅や職場でゆっくり時間を気にせずに見ることができたりとメリットもある。また、学会や研究会で遠出しなくなったこともあり、学術論文を作成する時間の確保が容易になった気もする。
しかし、私自身、研究会で演者として参加すると、常にPCの画面に向かって話をしているだけで、何となく物足りない気がする。話を聞きに来て頂いている先生方の反応を見ながら講演する方が、楽しいし、やりがいも感じる(あくまでも私見です、)
現在、研修医の先生は地方会もオンラインでの参加が中心となっており、高名な先生方を前にして発表する機会がないのは、研修医の経験という観点からあまり好ましいことではない。
今後、学会や研究会が、ハイブリッド開催に落ち着くのか、以前のように現地開催のみになるかは、現時点では全く分からない。ただ、[Withコロナ時代]において、これから医師になる学生や若手医師にとって十分な経験値が積めるような機会が失われることがないことを切に願う。
曽根原 圭