冬の思い出
今年の冬はラニーニャ現象(赤道付近の海水温が平常より低い)が発生することから、降雪が多くなるのではないかといわれていました。松本周辺は平年とあまり変わりないようには感じますが、皆さんのお住まい周辺はいかがでしょうか。関東甲信の気温はこの先平年並み~高めになっておくという予報になっており、春の訪れは早いかもしれません。
冬というと、私は中学に上がる少し前から大学の途中まで、アルペンスキーの競技をしていました。今年アルペンの世界選手権が開催されており、それを見て思い出したこともあって書いてみることにしました。雪の多い地方にお住まいの人の中には競技スキーをしていらっしゃった方も多いかもしれないので今さらかもしれませんが、アルペンスキーは斜面に旗門を立てることでコースを作って、その中を滑ってタイムを競う競技です。前後(斜面の上下)の旗門の間隔の広さで4種目に分かれており、間隔の広い方から滑降・スーパー大回転・大回転・回転になります。旗門の間隔が広くなるほどコースは一般的に長くなり、またコースの設置幅はゲレンデの幅で決まってくるため旗門間隔が広いほど相対的に横方向の振り幅が狭くなって滑走スピードは速くなります。オリンピックレベルの滑降では瞬間速度が110km/hほどまで上がります。「高速系」2種目と「技術系」2種目に大まかに分かれており、少なくとも日本では高速系の競技を行う人は少なく、国体に出るレベル以上の人くらいだと思います。私も技術系のみしか滑ったことがありません。コースの長さは滑走時間でいうと、医学部の大会レベルでは大回転が1分半程度、回転が1分弱といった長さだったと思います。技術系種目は一定以上の大会では別々のコースを2回滑って、合計タイムを競う形になっています。大回転は2本のポールの間に旗がついている形の旗門になっていますが、回転は1本のポールのみの旗門が立っています。回転の方がターンが細かく、一番速いラインを通るために旗門を正面から手と膝で倒しながら滑っていきます(倒せるようにストックと膝にガードを付けています)。
アルペンの練習は大会と同様にコースを作って、そこを何回も繰り返して滑る形です。滑るのはあっという間で、途中で止まっていろいろ確認などすることができないのが陸上競技などと違う難しい点かと思います。スタートやゴールの付近から見ているコーチにアドバイスしてもらったり、ビデオ撮影してもらって後でミーティングで確認したりして、滑りを直していきます。練習は何人かで順番でコースを滑る→リフト乗り場まで滑って行ってリフトに乗る→コースまで行って順番待ちして滑る、をひたすら繰り返します。正直飽きてくることもありますし、天候によってはリフトの上が寒いです。それでも1シーズン通じて滑るうちに少し上手くなったと感じられることもあり、その時は素直にうれしいです。
競技をやめてからも年に何回かはスキーへ行っていましたが、ここ数年はまったく行かない年もあります。できればコロナ禍が落ち着いたらまた行ってみようかなと思っています。
町田 良亮