山の上の診療所
8月11、12日と常念診療所に行ってきました。
長野県民であるのに登山経験がほぼない私ですが、以前より“山の上の診療所“に興味があり今回参加させていただきました。
常念岳は日本百名山に入っているとのことで、確かにその景色は大変感動的でした。
写真が一番伝わりやすいと思うので今回の記事は写真が多めですがよろしくお願いします。
当日は朝5時に集合して登山口へ。
信州大学医学部の山岳部チーム(学生)とゆっくりチーム(それ以外)に分かれて出発です。
とてもいい天気です。
しかし想定外に岩は多めです。大丈夫かな・・・と内心思いながらも一歩ずつ進んでいきます。前日に登山靴を買ったのですが、ちゃんとしたものを買ってよかったです。登山靴は何より大事であることを実感しました。
休憩。水を1L持ってきたつもりであったのに500mlしかリュックに入っていないことに気づき密かに絶望していましたが、途中に水場があると聞き救われました。
大分高いところまで登ってきました。登山後半に“胸突八丁”と呼ばれるのぼり道があるのですが、名前の通りとてもきつかったです。しかし休憩をこまめにとりながらなんとか登って行くことができました。
山頂付近には雪が残っていました。あともう少し。
登り始めてから5時間半後、やっと山小屋に到着しました!
山小屋の入り口です。
その隣に診療所があります。私たちは診療所の方に宿泊します。
とりあえず荷物を置いて休憩。
お昼ごはんはお隣の山小屋へ。山小屋の雰囲気がよく、気分が高まります。
この時のビールは本当に最高でした。午後診療できるかな・・・。
少し休憩して診療所でいつ患者さんが来てもいいように準備をします。
もちろん病院ほど医療用品はありませんが、内服薬、点滴、外科処置セットなど揃っています。受診される患者さんは外傷や高山病などが多く、症状に応じて診察、治療を行っていきます。
交代で診療し、区切りがついたところで夜ご飯へ。
山の上なのに豪華です。食材はヘリコプターで運ばれるそうです。
その後は診療所に戻って宴会です。種々の美味しいお酒をいただきながら楽しい時間を過ごしました。
次の日は夜中の3時に起きて星を見に行きました。満天の星空と流れ星も見ることができて感動しました。写真は山頂でご来光を見るために登っていく人たちのヘッドライトの灯りです。私は足と腰が痛かったので今回は残念ながら山小屋近くからご来光を見ることにしました。
天体観測から、そのまま朝5時のご来光まで空の移り変わりを眺めていました。
徐々に夜が明けていき、期待が高まります・・・!
初めて山の上でご来光を見ることができました。
朝方から小児の患者さんが受診されたりして、診療所では朝早くから活動開始です。
空いた時間には学生さんと一緒に呼吸機能検査を行いました。
二日間、大変貴重な経験をさせていただきました。普段あまり経験する機会がない高山病の診療や、限られた医療資源でどう診療していけばよいかなど学ぶことが多かったです。なによりあの満天の星空と美しいご来光は忘れられません。
自分自身が高山病にならないか心配しながらも、なんとか行って帰ってくることができてよかったです。興味がある方、ぜひ一緒に登りましょう。
田中美帆