17年ぶりの訪問
12月に入り、目まぐるしく日々が過ぎていきます。そんな中、日本内科学会より今年の一つの目標としていた事項についての結果報告があり、ほっと胸をなでおろしているところでもあります。
非小細胞肺癌に免疫チェックポイント阻害薬であるNivolumabの適応追加がされ、1年が経とうとしています。当院でもその効果を実感できる症例も多くなり、今後も肺癌患者さんが長く安定して過ごせることを期待します。治療を提供する立場としては、使用開始した当初の我々が対応したことがなかった免疫関連副作用に対しての危機感は、忘れずに行きたいと考えています。
12月8日、飯田下伊那地域の薬剤師会主催の「平成28年度飯伊病診部会第3回研修会」に演者としてお招きいただきました。飯田市で行われたのですが、飯田を訪れたのは高校生の部活の時以来で、17年ぶりの訪問でした。同じ長野県内であっても、機会がなければ訪れることがない場所が多く、改めて長野県の広さを感じました。訪ねてみると、懐かしい光景にこみあげてくるものが何かあるかもしれないと考えていましたが、夜訪れたことも影響したでしょうか、そのようなことが残念ながらありませんでした。次は日中に訪問できればと思います。
講演は「がん免疫療法の現状と副作用マネージメント」というタイトルで、主にがん免疫療法の歴史と基本、免疫チェックポイント阻害薬の臨床試験の結果、副作用とその対策について、当院での経験例も含めてお話をさせていただきました。同じ医療者とは言え、他職種の方にお話をするのは緊張するものですが、1時間弱と長丁場ではあったものの、真剣に聞いていただきました。講演後には多くの質問もいただき、ありがたく感じました。それだけ注目度の高い治療法であったのだと思います。
飯田下伊那地域ではまだ免疫チェックポンと阻害薬の使用例は多くないと伺っていますが、今後適応疾患も増え、それに伴い治療を受ける患者さんも増えることが予測されます。聴講いただいた方々の今後に少しでも貢献できていればありがたいと思いますし、今後も同じ長野県内、情報交換をしていきたいと考えます。
立石 一成