第90回閉塞性肺疾患研究会
去る7月16日東京にて開催された第90回閉塞性肺疾患研究会で当科からも発表させていただきましたので報告いたします。
閉塞性肺疾患研究会は昭和35年に前身である肺気腫研究会が発足し、昭和49年に呼称変更され現在に至ります。歴史があるだけに発表される演題は非常にレベルが高く、慢性閉塞性肺疾患等を専門とする呼吸器科医にとって大変注目度が高い研究会です。いわゆる重鎮と言われる先生方が毎回たくさん出席されます。ある意味学会で発表するよりも緊張感があります。
私にとって今回は3回目の発表でした。最初は入局2年目の2003年で、何もわからぬまま発表し、「妙に質問が厳しいな。時間が長いな」と思ったのですが、後になって非常にレベルの高い研究会であることを知り愕然としました。2回目は2014年でした。すでに論文化したデータをひっさげて発表したのですが、質疑応答の際、全く想定外の建設的ではない厳しいコメントをいただき、動揺して全く対応できず不完全燃焼で終わってしまいました。
そして今回私は「COPD、喘息・COPDオーバーラップ症候群、閉塞性換気障害を伴った喘息の呼吸機能の比較」という演題で発表させていただきました。すでに今年の6月にInternational journal of COPD誌にて発表したデータに基づいており、準備万端なはずでした。しかし他の演題も非常にレベルが高く、特に私の前に発表された演題は、American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine誌という非常にインパクトファクターの高い雑誌にて発表されたデータに基づく発表でした。その直後に発表するとどうしても比較してしまい、私の発表がとてもみすぼらしく思えました。想定質問をたくさん作り、前日まで発表の練習をしていたのですが、生来の口下手故に質疑応答もうまくいきませんでした。
こういう場で良いデータをうまく発表し、うまく質疑応答できるようにならなければ一流の研究者になれないと思います。現在の私には荷が重いですが、この悔しさをバネにして、また演題を出せるよう日々研鑽を積みたいと思います。このようなすばらしい研究会を共催され、発表にあたって多大なサポートをしていただいたエーザイ株式会社様に謝意を表したいと思います。
余談ですが、子供のお土産を何にしようか考えた末に「新幹線弁当」を買いました。1個1300円と結構高いのですが、マニアの悲しい性で3つコンプリートしてしまいました。いい年したおっさんが一人で買うと少し恥ずかしかったですが、子供は喜んでいたので良しとします。
北口 良晃