第55回日本呼吸器学会学術講演会に参加して
4月18日午前にPulmonary HypertensionのPresidential Symposiumがあり、当施設のシルデナフィル投与試験のデータを提示する機会を得た。すなわち、右心カテーテル検査の際、呼吸器疾患に伴うPH患者にシルデナフィルを経口投与し前後で肺血行動態を比較すると、混合静脈血酸素飽和度の悪化を認めることなく、心拍出量が増加するという結果である。
末梢組織の酸素化はむしろ改善すると考えられ、生体に取って有益な反応と考えたが、University of California(San Diego)のDr. Rubinに猛反発された。彼が有害と主張する理由が理解できず、私のつたない英語では十分に反論もできなかった。今後、どこかの学会か研究会でお会いした際は、再度議論をお願いし、納得のいくまでお話したいと思っている。
このSymposiumにはDr. Rubinのほか、Hannover Medical SchoolのDr. HoeperやVirginia Commonwealth UniversityのDr. Voelkelも参加された。このような一流の研究者と議論ができる日本呼吸器学会の素晴らしさに敬服し、会長の奈良県立医大、木村弘教授をはじめ諸先輩方に深く感謝申し上げたい。
花岡 正幸 記