スキーデビュー

今年は暖冬なのでしょうか、肌を刺すような冷たい空気に触れる日が例年より少ない気がします。12月下旬まで雪不足のため県内のスキー場もなかなかオープンできずにいましたが、1月に入りようやくシーズン到来といった感じです。

雪国育ちの親の影響で、私は小学校に入るか入らないかくらいの頃にスキーデビューを果たしています。1980年代、映画「私をスキーに連れてって」に代表される空前のスキーブームの真っ只中でした。地元愛知から長野のスキー場へと父の運転する車の中ではユーミンの歌が流れていた記憶があります。

あれから30年、今もユーミンは健在ですが、スキーブームは過ぎ去りました。スノーボードの登場によって再び賑わいを見せたものの、最近の多くのスキー場はリフト待ちもほとんどなく、嬉しいような寂しいようなです。

私はと言えば、信大に入学後、愛知と長野で遠距離恋愛だった相手と同棲を始めたかのごとく、完全にスキーの虜になってしまいました。流行りのフリースタイルスキーに憧れ、コブに転がされ、キッカーで煽られ、レールを股間で受け止め、ハーフパイプであらぬ方向へ回転し、どんなにきつく当たられても思いは深まるばかり。さらには、バックカントリースキーやテレマークスキーなど、優雅な大人の遊びにも興じたりするようになりました。そんな折、当医局への入局は、もはやスキーなしには生きられないと婚姻届けを出したも同然の出来事だった訳であります。関連病院のどこからもスキー場まで30分~1時間ほどという最高の環境を手に入れたのです。

そんな私も父親となり、しばらくスキーとは距離を置いておりましたが、今シーズンついに再始動しました。というのも、子どもたちがデビューのお年頃になってきたからです。長女はもうすぐ6歳(年長さん)、次女4歳(年少さん)、三女はまだ1歳半なのでスキーは無理ですが。お正月休み、天気が良く暖かい日が続いたので、3人娘を連れてスキーに出かけました。三女はちょっとソリ遊びをした後、おんぶでお昼寝タイム。次女も最初はソリに乗っていましたが、長女の姿をみて俄然やる気になりスキーに鞍替えしました。何かと臆病者な長女ですが、意外や意外、目を輝かせ満面の笑みで滑っていました。「ブーツ重たいからヤダ!」、「足が痛い」、「疲れた~」「お腹すいた~」「全然面白くない!」などなど、散々文句を垂れていましたがこれは想定内。何事も初めが肝心と、おんぶに抱っことチョコレートで娘たちのご機嫌とりに奔走した甲斐あり、「すっごく楽しかった!!」とお言葉を頂けました。転んで泣いてはまた起き上がり、練習を重ねた結果、今や素晴らしいシュプールを描いて滑れるようになりました。

写真は、馬鹿な父親のせいで早くもスキー人生に足を踏み入れてしまった娘たちですグラフィックス1 グラフィックス2

小坂 充

 

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