呼吸器フォーラムin信州

少し前になりますが、6月25日に行われました呼吸器フォーラムin信州に参加しました。本フォーラムのテーマは呼吸器感染症でした。肺癌や喘息、COPDの領域では新規の薬剤が次々と上市されることもあり、このようなフォーラムや講演会は盛んに行われています。しかし感染症をテーマにしたフォーラムは比較的少ないため、参加することを非常に楽しみにしておりました。

教育講演として長野県立須坂病院呼吸器・感染症内科部長、感染制御部長の山﨑善隆先生が「レジデントのための呼吸器感染症画像読影術」と題して、呼吸器感染症の胸部エックス線およびCTの読影を講演してくださいました。呼吸器疾患において画像所見が重要なことは言うまでもありませんが、山﨑先生は肺炎や結核などにおける胸部エックス線やCTの所見の読み方を解説して下さいました。

特別講演として東北医科薬科大学病院感染症内科・感染性制御部病院教授の関雅文先生が「重症呼吸器感染症と深在性真菌症へのアプローチ」と題した講演をしてくださいました。肺炎は日本人の死因の第3位を占め、特に高齢者でその死亡率が高い疾患です。関先生は重症感染症の動物モデルといった基礎的なお話から、実際の肺炎や敗血症の豊富な症例、さらにはアスペルギルスを中心とした難治性の肺真菌症と幅広くお話ししてくださいました。
また講演会後の懇親会では関先生が日本で37年ぶりに新規に開設された東北医科薬科大学でのやりがいや、ご苦労などお話しくださいました。

肺炎などの呼吸器感染症はcommon diseaseであるからこそ、抗菌薬の選択などその治療を正しく知っておく必要がある疾患であり、不適切な治療は患者の予後だけではなく、耐性菌の出現・蔓延につながることを改めて認識し、大変勉強になりました。

写真は懇親会での一コマです。右から関先生、山﨑先生、須坂病院初期研修医の上條先生、牛木です。

牛木淳人

staff-column-07

一覧へ戻る